BLとゲイ小説
(↑白夜書房ラヴェンダーロマンスシリーズ第一弾『熱い罠』↑)
本日、ブックオフで新設されたBL(ボーイズ・ラブ)コーナーでアーロン・トラヴィス・風間賢二訳『美しい獲物』(白夜書房ラヴェンダーロマンスシリーズ)入手した。金100円也。
この「ラヴェンダーロマンスシリーズ」は米国を中心とした過激なゲイ小説を集めたレーヴェルである。
第一弾は「古典的ゲイSM小説」としてあまりにも有名なジョン・プレストン『熱い罠』(この小説は超・名作。未読の方はぜひご一読をお勧めする。『熱い罠』の書評は本サイト内サイト「書肆月詠」において読むことができる。)
その他にも『重い鎖』『柔らかい蕾』『愛の奴隷』など題名からして過激そうな小説がズラリと並んだゲイ小説ファンなら見逃せないレーヴェルである。
問題はこの小説はBLのコーナーにあったことである。性的なファンタジーとしてのBLと本格的ゲイ小説を一緒にしてしまって良いものであるのか、わたしとしては迷ってしまう。
わたしはBLとゲイ小説は別物だと思うが、かって耽美小説家・栗本薫が「わたしは悶絶さぶ小説を愛読している」という問題発言??を発したこともあり、BLとゲイ小説はそれほど遠い位置に存在するものではなく、意外と近いものであるのかもしれぬ。
そういえばゲイ漫画界の第一人者「田亀源五郎」の漫画本をわたしは蒐集しているが、この作者の本が渋谷・まん◎らけの「女性向けコーナー」にあった時は驚愕したものである。
女性BL愛好者の諸君には「現実のゲイ」の生態を、「現実のゲイ」の諸君には「女性の繊細な内面」をもっと知ってもらいたいと思う。
そのことがBLとゲイ小説の間の溝を埋め、より過激でアクチュアルな同性愛文化の発展に寄与することをわたしは切に祈るものである。
なお、画像はラヴェンダーロマンスシリーズの第一弾『熱い罠』。
(黒猫館&黒猫館館長)
(2009年5月15日)