劇場ロビー

 

 

 

お客さんA ひーーー。な、なんや、これ?
お客さんB なんやか知らんがえらいケッタイな夢を長時間無理やりみせられた感じやな。
A ここの管理人またふざけたもん作りおったで。
B まあはっきり言うて「変」なことは確かやな。
A まずこれは「小説」かいな?
B アホか。音楽が鳴ったり絵が動く小説があるかい。
A では「芝居の台本」か?
B うむ。それに近い感触はあるな。やたら台詞ばかり多く、しかも大袈裟で芝居がかった台詞が多いしな。
  しかし台本にしても音楽は鳴らんやろ。
A ではこれは「芝居そのもの」か?
B 馬鹿いうな。俳優が出てこない芝居があるかい。
A 「映画」という線はどや?
B 文字読まされる映画なんぞ聞いたことないわ。
A それじゃいったいこれはなんや?
B 強いて言えば「紙芝居」に近い感触があるな。
A おう?紙なんぞなかったぞ。
B そやから「電動紙芝居」や。
A なんやそれ?
B わしもわからんわい。
A とにかく疲れたわ。はよ帰ろ。
B まあ今後またけったいなもの造りそうやな。
A ほっとけ。もう。
B まあ長い目で見てやろか。
A 勝手にせい。帰るで。
B おう。

(バタン)