光源廻廊
「黒猫館守護神」
光姫。
お別れです。
お帰りなさい。
貴方の素晴らしい「仲間」のいる人間世界へと。
「光姫」
守護神様。
またいつか。
必ずいつの日か。
わたしたち人間があなたのレヴェルまで成長したその時。
必ずまたお会いしましょう。
それでは。
光姫。
行きます!!
「花はいいね。
四十歳過ぎてからようやく解かってきたよ。
なぜひとは花を求めるのかってことがね。」
「小学校を卒業しても、一生友だちでいようね。」
「結婚なんて下らないと思っていた俺が結婚するとはな・・・」
「いまさら何言ってるのよ!」
「夕闇の桜花の記憶に重なりて
はじめて聴きし日の君が血の音」
河野裕子『森のやうに獣のやうに』青磁社より引用。
「オトーチャン!!ネコのミケが子供を生んだよ!ほら三つ子!!」
「優子と雅夫がいつまでも一緒にいられますように。
1992年12月28日横浜ランドマークタワー展望室夕方5時ちょっと。」
「くそ〜どこまでも続くなあ・・・でもあきらめない。
20歳の記念にLA〜NYの自転車単独旅行完遂するぞ!!」
「どこかに美しい街はないか
食べられる実をつけた街路樹が
どこまでも続き すみれいろした夕暮は
若者のやさしいさざめきで満ち満ちる。」
茨木のり子『見えない配達夫』(飯塚書店)より引用。
「動物ってどうしてこんなに可愛い
のかって?それはやっぱり人間も
動物の一種。つまり「仲間」ってことさ。
いつもなにげなく見ている柱の傷。
それはわたしの成長の記録。
そしてわが家の歴史そのもの。
「おばーちゃん、おじーちゃんどこいったの?」
「遠い遠い所に行ったんだよ。
それでもおじいちゃんは坊をいつも見ているからね。」
「本当はね。
わたしピアニストになりたかったんだ。
でもいいの。時々かなしい時にピアノを弾く。
それがわたしの元気の源だから。」
「寂しければ巫女の姿で会いにゆかん
あらきのみやに風鳴りわたる」
永井陽子『葦牙』(私家版)より引用。
「君となら手を取り合って行ける筈 黄泉津比良坂超える彼方へ」
黒猫館館長「黒猫詩歌館」内「短歌の部屋」より引用
「たとえ手術で乳房取ってもね。
わたし決めたんだ。
絶対一番最初に彼に傷痕見せるって。」
「あの頃は楽しかったな〜。
っていつも思うよ。
でも。
最近思うんだ。
本当に楽しいことはこれから始まるんだって。」
「あしたから夏休みだ〜。どこにいこうかな〜。」
「運命は
屋上から身を投げる少女のやうに
僕の頭上に落ちてきたのである
もんどりうって
死にもしないで
一体たれが僕を起こしてくれたのか
少女よ
そのとき
あなたがささやいたのだ
失ふものを
わたしがあなたに差し上げると」
黒田三郎『ひとりの女に』(昭森社)より引用
「サンタさんって本当にいるんだよね?」
「それはおまえが大人になった時に本当に正しい答を自分でみつけだせるさ」
「こんなにも湯呑茶碗は暖かく
しどろもどろにわれは居るなり」
山崎方代『右左口』(短歌新聞社)より引用。
「我は人間苦の尊厳を愛す」
辰野隆
「俺もさ、
ガキの頃からトロくて小心だったからさ、
本当に色んな場所で苛められてきたよ。
虫けらだとか、クラスのカスだとか、便所の紙だとかさ、
本当に色んなこと言われてきたなあ
学校で。
アルバイトで。
今の職場で。
でもな。
最近思うんだ。
この苦痛はもしかしたら無駄なことじゃなかったのかって?
まだまだそのことを論理的な言葉で説明できないけど。」
「家がようやく完成したな。
30年ローンだけど。
だけどこれから家族三人が一緒に頑張ってゆけば、
大丈夫。すべて大丈夫さ。」
「大学受かりました!!
大学ってどんなとこなのか?
全くわからないけれど、
とにかく全力ですべてに
ぶつかってゆきます!!」
でも私が死んだら、
私のかわりに誰かが、
その誰かが死んだら、
また誰かが、
その見えない壁に向かって、
叩きつづけるべきなのよ。
そうよ。
この人間を否もうとする意志に対して。
辻邦生『廻廊にて』新潮社より引用。
「雁の声を聞いた
雁の渡ってゆく声は
あの崖のない宇宙の崖の深さとおんなじだ
わたしは治らない病気を持っているから
それで
雁の声が聞こえるのだ
治らない人の病は
あの崖のない宇宙の崖の深さと
おんなじだ」
村上昭夫『動物哀歌』より引用。
「人間ドックの結果は・・・異常ありません。
ただ血糖値が高いので甘い物は控えてくださいね。」
「生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ」
谷川俊太郎『うつむく青年』(山梨シルクセンター)より引用。
音楽(C)WAKABA