「Noblesse oblige」
(貴族の義務)
再び「聖域」。
奴隷一同と向かい合って立つくらやみ男爵。
<くらやみ男爵>
ふふ・・・
ふぉーーーーふぉふぉふぉーーーー!!!
奴隷だと?・・・
笑わせるなッ!!
せいぜいがサドマゾ遊びに夢中の淫乱な若造どもが・・・
いいぞ。
かかってきたらどうだ。
しかし貴様たちはわたしに近ずくことさえできない。
なぜならわたしに近づいた瞬間、貴様たちの肉体は四散する。
ミンチ肉よりもさらに細かくな。・・・
さあ、どうした?
こい・・・
こい?
ふふ・・・
<豚男>
死んだって本望ですッ!!僕の心には影姫さまがいる!!影姫さまの奴隷としてなら死ねるッ!!
<隷>
奴隷に堕した瞬間から命などとうに捨ててございます。
<ヤプー一号>
ヤプーだってみんなと一緒に往きます!!
弱いけど・・・
<水着フェチX>
死んだら僕の競パンどうなるのかなあ??
ん?天然ボケ?
<怪人M>
え〜〜と。。。
え〜〜と。。。
フーリエの理論によればこのような特攻は少しばかり普遍妥当性に欠けるのかと・・・?ん??
<優>
いつも弱虫のボクだったけど、いまなら戦える!!
みんなと一緒に!!
<黒猫館館長>
下がれッ!!
若い命を散らせてはならぬッ!!!
<奴隷一同>
館長様!?
<黒猫館館長>
黒猫館の奴隷たちよ。
よくここまで来てくれた。
しかしわたしはおまえたちのその心意気だけでもう十分だ。
おまえたちはまだ若い。
「未来」がある。
おまえたちはこれから様々な人物。
さまざまな異邦の地。
厳密な学問。
素晴らしい藝術。
そして時には厳しく、そして時には甘美な「人生」。・・・
そのようなものと出会わなくてはならない。
その「未来」をこのような悪鬼のために潰すことなどわたしが絶対に許さん。
だから下がれッ!!
<奴隷一同>
しかし、、、
我ら奴隷一同が戦わなかったらいったい誰が戦うのです!?
<黒猫館館長>
わたしが戦おう。
<奴隷一同>
馬鹿な!?
止めてください!!
館長様!!
<黒猫館館長>
「Nobless Oblige」
(貴族の義務)
わたしが黒猫館で奴隷制を認めていたからには、
こんどはわたしが戦わなくてはならない。
それが上に立つ者、つまり黒猫館館長としての義務だ。
<くらやみ男爵>
ふふ・・・
ふぉーーーーーーふぉふぉふぉーーーーーー!!!
黒猫館館長よ?
ついに血迷ったか!?
還暦を過ぎたその骨と贅肉だけの身体でわたしと戦おうというのか!?
なんという蛮勇!!
誉めてやるぞ・・・
・・・最大の嘲笑を堪えながらな・・・
<黒猫館館長>
くらやみ男爵ッ!!
その「嘲笑」を後悔するなッ!!
黒猫館守護神像の足下に歩み寄る黒猫館館長。
そこには一本の棒が刺さっている。
棒をつかむと館長は一気に引き抜いた。
<黒猫館館長>
ムゥ!!!
一本の棒と見えたものは実は一本の刀剣の柄の部分であった。
その刀剣の剣の部分は眩しいほどに煌煌と輝いている。
<豚男>
これは!?
<隷>
これは剣!?
<ヤプー1号>
光ってる!!凄い!!
<水着フェチX>
これはもう競パンより驚いたっす!!
<怪人M>
え〜〜と、、、
え〜〜と、、、
フーリエの理論によればこのような光る剣というものの存在には普遍妥当性が薄いかと?・・・ん??
<黒猫館館長>
くらやみ男爵よ。
おまえならこの剣がなんであるのか、とうにわかっているだろう・・・?
<くらやみ男爵>
ふふ・・・
ふぉーーーーーふぉふぉふぉーーーーーー!!!
「聖剣エクセリオン」・・・
そうであろう?
館長よ・・・
<黒猫館館長>
まさにそのとおりだ。
「聖剣エクセリオン」。
それは神々のみ入ることを許されるという聖空間「神々の庭」に散らばる砂、銀星砂(スター・ダスト・サンド)より鋳造される黒猫館守護神・オルフェウスより賜りし伝説の武具。
この剣は黒猫館館長職にあるものが、その在職期間中、つまり一生に一度だけ抜くことが許されるという。
大いなる邪悪を断つ目的の場合のみに。
そしてくらやみ男爵よ。
わたしはおまえの持っている「エレザールの鎌」もまた神々の武具であるとこもわたしは知っている。
宇宙創生以前の時代。
守護神オルフェウスと創造神イエホヴァの間に大いなる「神々の戦い」があった。
その時、オルフェウスが持った武具が「エクセリオン」。
イエホヴァの持った武具が「エレザール」だったという。
なぜおまえが「エレザールの鎌」を手にしてるのか?
そんなことにわたしは興味はない。
わたしが思うことはただ一つ。
おまえはその鎌を持つ者として「ふさわしくない」ッ!!!
<くらやみ男爵>
なぜわたしが「エレザールの鎌」を持っているのか知りたいか・・・?
館長よ。
ふふ・・・
ふぉーーーーーふぉふぉふぉーーーー・・・
わたしもまた神々の一族の末裔であるとしたら・・・?
<黒猫館館長>
戯れを申すな!!
くらやみ男爵。
おまえが神々の一族である筈など絶対にありえない。
<くらやみ男爵>
そうであるならば・・・
そうであるならば・・・
なんと安心なことよのう?・・・
ふふ・・・
ふぉーーーーーーふぉふぉふぉーーーー!!!・・・
<黒猫館館長>
くらやみ男爵よ。
おまえもまた爵位を持つ者ならば正々堂々と戦え。
さよう。
騎士道精神に基づいて、
一対一で決着をつけようではないか?
<くらやみ男爵>
面白い。
十分に面白い余興だ!!
黒猫館館長よ。
おまえが何秒もつか・・・
それを試すのもまた悪くない。
ふふ。
ふぉーーーーふぉふぉふぉーーー・・・
<黒猫館館長>
くらやみ男爵。
わたしは今までおまえの動きを見ていて気づいたことがひとつある。
それは、おまえが本来もっているナチュラルなマジック・パワーはそれほど強力なものではないということだ。
おまえは恐らく、エレザールの鎌から発せられる霊力を特殊な方法で変換して邪悪な妖術「無間冥界呪法」を操っているにすぎない。
それならば生来の霊力をほとんど持たないわたしでもこの聖剣エクセリオンを持つことでおまえと互角に戦える筈だ。
さあ!!正々堂々と戦ってみろ!!
くらやみ男爵!!!
<くらやみ男爵>
館長よ。
後悔するなよ・・・