光姫参上
<光姫>
そこまでです。くらやみ男爵。
あなたはまた無辜の人間を苦しめて楽しんでいるようですね。
悪趣味もそこまでになさい。
わたしはあなたを絶対に許しません。
あなたが今まで苦しめてきた数え切れないほどの人たち。
その痛みをあなたにそっくりそのままお返ししましょう。
今日こそあなたを葬りさります。
<くらやみ男爵>
ふぉーーーーふぉーーーふぉふぉふぉーーー・・・
こまっちゃくれた小娘が・・・
ついに現れおったな。
わたしを葬り去るだと・・・
笑わせるなッ!!・・・
おまえの口ぶりではわたしがなにか人間に対して害をなす悪魔のようではないか?
しかし違う。
大きく違う。
わたしは人間にとっての教育者なのだ。
この宇宙の法則を少々手厳しく教えてやる教師なのだ。
その神聖な授業の最中におまえは割り込んできた。
これは許されん。
絶対に許されんぞ。・・・
死よりおそろしい運命というものをおまえにも教えてやる。
覚悟はよいな?
ところで光姫よ。
わたしがこうやって人間どもを地獄に送り込んでいく。
その本当の目的がわかるか?
これから始まる真に恐るべきゲームにおまえごときがついてこれるかな?
<光姫>
あなたは黒猫館をのっとろうとしている。
すでに三毛猫室長があなたの手に落ちていることはしっています。
あなたの目的は最終的には黒猫館館長の暗殺。
そしてあなたが次期館長に居座ろうとしているのではありませんか?
しかしそれは絶対に出来ない策謀です。
黒猫館にとっての万能の神、黒猫館守護神様がその前にあなたに神罰を与えるでしょう。
<くらやみ男爵>
ふふ・・・ふぉふぉ・・・ふぉーーーーーふぉふぉふぉふぉーーーーー・・・
黒猫館を乗っ取るだと!?
こんなカビ臭いネズミが巣食っているような洋館ひとつをのっとってなにになる?
そんな無意味な遊びに耽っているほどわたしは暇ではないぞ。
そして守護神がわたしに神罰を与えるだと?
それは無理だ。
絶対にできない相談だ。
もし守護神の力をわたしが凌駕しているとしたら・・・。
<光姫>
守護神様を超えた力?
そんなことは絶対にできません。
人間が神を超えることなど絶対に不可能です。
<くらやみ男爵>
人間だと?
このわたしが人間だと!?
ふぉーーーーふぉふぉふぉーーー・・・
そんな卑小な存在と思っていたのか?
このわたしを。
ふぉ!
ずいぶんと甘くみられておったものじゃて・・・
それではもしわたしが人間でないとしたら?・・・
神か。
それとも神以上の存在であるとしたら?・・・
<光姫>
いいかげん戯言を弄するのはお止めなさい!
はっきり言いなさい。
ではあなたは何者なのです?
いいかげん正体を現したらどうです?
くらやみ男爵!!
<くらやみ男爵>
ええい!
この小娘めが・・・
貴様ごときがこのわたしに質問するとは・・・
思い上がるなッ!!
貴様のような小娘がなぜわたしに対抗できる力を得たのか。
その秘密はすべてわたしはしっているぞ。
おまえ自身もしらないおまえの秘密をな。
<光姫>
わたしの秘密?・・・
<くらやみ男爵>
知る必要もないか。
これから貴様はここにいる人間に代わって処刑される。
ほれ、パソコンのディスプレィを観ているおまえよ。
そうだ。おまえだよ。おまえ。
せいぜい光姫に感謝することだ。
おまえの処刑は後回しだ。
まず最初にこの小娘を処刑する。
それからじっくりおまえを料理してやるからな。・・・
ところで光姫よ。
今のわたしなら貴様を秒殺できる。
そろそろ実力行使で決着をつけるか?
この下階にある「闘技場」で。
<光姫>
いいでしょう。
今日こそあなたを消滅させ黒猫館を完全に浄化します。
お覚悟はよろしいですね。
くらやみ男爵。
<くらやみ男爵>
ふぉーーーーーーふぉふぉふぉーーーーー・・・
「若い」ということは素晴らしいものよのう。
まず「畏れ」というものを知らぬ。
自分より上位の者に対する畏敬。
そのようなものをこれから貴様の身体に叩き込んでやる。
それが「教育者」たるわたしの使命だ。
よろしい。
では地下に下りろ。
そこが貴様の墓場となる。
誰一人供養する者もいない無縁仏。
それがおまえの末路にふさわしい。
このわたしに楯突いた人間ごときがどうなるのか?
身をもって味わうがいいぞ。
人間ごときが。
人間ごときがこのわたしに楯突くとはな。・・・
ふぉーーーーふぉふぉふぉーーーー・・・