わたしのブックオフ攻略作戦
「なんでもあるようで、なんにもないのがブックオフですよね。」
こんな発言をする御仁にたまにお眼にかかる。
確かにブックオフには一見してパッとした本はない。
しかし本当に「なんにもない」のだろうか?
せどり屋同士がブックオフで出会うと「いやー、、、なんにもないっすねぇ。」という挨拶をするのが通例だという。
しかしこんなせどり屋のもっともらしい言葉に騙されてはいけない。
彼らは知っている。
「ブックオフには確実に良書が眠っている」ことを。
そのことを他人に悟られまいがために、あえて「なんにもない」を装うのだ。
しかしわたしたち素人はブックオフのどこを見れば良いのであろうか?
「掘り出し物」が隠れている棚はどんなジャンルなのだろうか?
このことに定説というか決まりはない。
「掘り出し物」はいつ、どのジャンルに現れるのか誰もしらない。
であるから、わたしたち古書コレクターは基本的に「毎日」ブックオフに行って「棚を全部」見なくてはならない。
しかし一般の社会人の皆さんには時間と労力の関係でそんなことは不可能だろう。
せどり屋だってそんなことができるか怪しいものである。
第一、プロのせどり屋にだって「よくわからないジャンル」は存在するのだ。
ブックオフに毎日行って棚を全部見る、そんなことはまず誰にだって不可能なのである。
であるから、わたしたちに出切ることをあえてここでズバリと指摘しておこう。
「なんとなく行きたくないと思うときにあえてブックオフへ行け!!」
「なんとなく行きたくない」と思うときにブックオフに行くとかなりの高確率で良書と出会える。
これはブックオフ歴17年のわたしが言うのだから間違いはない。
「なんとなく億劫」「なんとなくダルイ」「スゲー、かったるい」そういうときに即座にブックオフに行く。
すると意外な良書が意外な場所に転がっている。
貴方はこれを迷信だと思うだろうか?
わたしは全く思わない。
わたしはそうやって何度も良書を発掘してきた。
例えば「雨の日」こういう日はブックオフに行く意欲が萎える。
第一、本が雨に濡れたらどうするんだ??
しかしそういう日は誰しもブックオフに行きたくないのだ。
誰もがブックオフに行きたくない日にあえてブックオフに行く。
つまりこれが「他人を出し抜く」ということである。
「普通ではないことをやる」とはこういうことである。
嗚呼、そこまでしないと良書に出会うのは難しいのである。
古書のコレクションとはまさに茨の道なのだ。
しかしわたしたち古書コレクターはそんなことを毎日続けていかなくてはならない。
いつの日か自分のコレクションが大輪の花を咲かせるその日のために。
そんなことを考えながら、わたしは今日もブックオフで背中を丸めてごそごそと古書をいじっている。
(2017年9月13日&黒猫館&黒猫館館長)