『熱血!!コロコロ伝説 トラウマまんが傑作選』
小学館発行。2008年7月23日初版第1刷発行。外装なし完本。アンソロジー。定価381円。
内容>
「蛙少年のたたり」よしかわ進
「地獄の招待状」植村ただし
「呪い猫の恐怖」かたおか哲治
「学校の七不思議」青木孝夫
「大解明!カッパの謎」あすかあきお
「サイファー『始まり』『仲間』」かとうひろし
「魔界ゾンべえ」玉井たけし
「実録 サッカー戦士」小林辰偵
本書は小学生ご用達の雑誌『コロコロコミック』の創刊30周年を記念して発行された「テーマ別アンソロジー」の中の一冊。
特にこの巻は「トラウマまんが傑作選」と銘打ち怪奇&恐怖系統の漫画を8編収録したアンソロジーである。
まず「蛙少年のたたり」「地獄の招待状」「呪い猫の恐怖」と強烈な正統派怪奇漫画三連発にわたしたち読者はノックアウトされてしまう。それほど本書の収録作品は「子供向け」であって容赦がない。ヘタな青年向け恐怖漫画より遥かにダイレクトに精神にダメージを与える作品群である。
その後、ややおとなしめの作品が続くが「魔界ゾンべえ」でガッツリやられる。この漫画はギャグマンガなのだが、グロさが徹底している。水虫が爆発したり小便の詰まった膀胱が空を飛んだりする。さすがに尋常ではない気色悪さで皮膚感覚でぞわッとするタイプの漫画である。
そして巻末を飾るのは残酷スポーツ漫画「実録 サッカー戦士」である。「もし勝ったら射殺される」という残酷なルールで始まったサッカーの試合、しかしイレブンはその時どうしたか・・・?とずっしり心に重いものが残るサッカー漫画である。
総じてこれ一冊で「お腹一杯」になる濃さでのアンソロジーで、読んだら夢になにか出てくるのは必至の後味の悪い作品ばかりである。さすが「トラウマまんが傑作選」と銘打っただけのことはある。
さて本書はブックオフ的古書店で見つけるのは至難の技、故にネットで買うことをお勧めする。
今なら古書価は2000〜3000円程度。将来古書価が急騰する可能性があるので心ある怪奇漫画ファンの諸君はなるべく早く本書を入手しておいたほうが良いだろう。
(黒猫館&黒猫館館長)