【中東紀行 64】ベリーダンス会場へ 

 

「るるるるる・・・・」 
 なにかが鳴っているな・・・・わたしはハッ!と目が覚めた。

 「しまった!寝落ちしていた!!」わたしはすかさず電話を取った!森さんの怒った声が反響する。

 森さん「もう出ますよ!行かなくていいですか!?」
 わたし「は・・・はいいいぃ・・・!今すぐ行きますです!!」

 わたしは猛ダッシュで浴衣を脱ぐとすぐさま普段着を装着する!さらにブラシで頭を撫でると靴を履いた。さらにかばんを持つ!この時間たった1分。

 自室から飛び出す。エレベーターに乗る。ロビーに到着。森さんがひとり立っている。「急いでください!!」

 ダッシュの勢いでバスに乗る。ツアー一行がなんだかニヤニヤしている。
 斎藤さんの隣に座る。斎藤さんがなんとも呆れた声を出した。「貴方、なにやってたの?」
 「ええ、まあね。。。(微笑)」と適当にごまかしてようやく落ち着いた。



    ※               ※


 バスがイスタンブールの繁華街に入ってゆく。日本でいえば新宿のような雰囲気のある町並みになってきた。もうあたりは暗い。毒々しいネオンサインがきらめく。

 キキッ!バスが止まった。
 べリーダンスシュー会場に止まったのだ。高級キャバレーと言った外観の建物である。(日本のキャバレーとヨーロッパのキャバレーは意味が異なる。外国のキャバレーはもともと芸術家たちのサロンという意味で現在でもその伝統は残っている。)


 



 会場に入るとうすくらい。
 故意に照明が落としてあるのだ。
 食事はもうできている。
 わたしは斎藤さんと一緒に席に腰を下ろした。

 どうも会場にはロシア人のグリープ、ポーランド人のグループ、韓国人のグループなど多種多様な民族が入り乱れているらしい。様々な言語が会場にコダマする。

 やがてざわざわしていた会場が急に静かになった。
 ステージに照明が集中してゆく。

 ベリーダンスショーが始まったのだ。


(写真はベリーダンス会場)

 

 

(黒猫館&黒猫館館長)