【中東紀行 59】トルコ石を買う
ロクムを安くゲットしたわたしと斎藤さんはさらにグランドバザールの奥に進んでゆく。
明日は帰国なので、手持ちのトルコリラはすべてここで使い切らなくてはならない。成田の両替所でトルコリラを出してもほとんど紙くず同然に扱われてしまうという。
「み・て・ろ!!ガッチリ買ってやる!!トルコでしか買えない良いものを!なるべく安くな!!」
わたしはそう固く心に誓うとグランドバザールの商店街に目をこらした。
ん・・・と思ったらなにやら青いものが沢山置いてある店がある。さらに目をこらしたら、それはトルコ石であった。
わたしは斎藤さんに「この店に入りましょう!!」というとほとんど無理やり斎藤さんを店内に連れ込んだ。
ある・・・ある・・・トルコ石の山だ。ネックレスになっているのも指輪になっているのもある。
指輪になっているものからひとつを選んでわたしは主人に聞いてみた。
わたし「いくら?」
「オー!!ジャパニーズ!!」と主人は叫ぶと目にも止まらぬ早さで計算機を弾いた!「50トルコリラ(2850円)デース!!」
安い・・・あのコンヤのトルコ石の店では150000円だったのに、なんだこの値段の違いは・・・?
贋物・・・という考えがわたしの頭に浮かんできた。しかしこの段階になってそんなことを迷っているヒマはない。トルコ石の本物と贋物を鑑定するのは専門家でも難しいという。
ここは夢を買うつもりで・・・と思ったわたしの口から思わず「プライス・ダウン!!」という言葉が出てしまった。外国でものを買う時は値切るのが常識だからだ。
主人は「オー!!」と叫びまた計算機をはじき出した。
主人「35トルコリラ(1995円)!!」その瞬間、わたしは叫んだ!「30トルコリラ(1710円)!?」
主人「オー!!」・・・せこいと思う人もいるだろう。しかしこれが外国での買い物の流儀なのだ。
主人はしばらく頭をかかえていた。すると・・・
「アイ・ライク・ジャパニーズ!!30トルコリラOK!!」
勝った・・・商談成立。わたしは30トルコリラを主人に渡すとトルコ石を主人に包んでもらった。
斎藤さんは「孫へのおみやげ」としてトルコ石の原石を買っている。
ようやくトルコ石をゲットできたぜ・・・という満足感でわたしは主人と握手した。「アイ・ライク・トルコ・ピープル!!」主人「オー!!サンキュウ!!」
気持ちの良い買い物ができたな・・・
そう思うとわたしと斎藤さんは次の店に向かった。
(画像はグランドバザールで30トルコリラで買ったトルコ石の指輪)
(黒猫館&黒猫館館長)