【中東紀行 44】旅の落とし穴 

 

 

 パムッカレからバスで2時間、ようやく本日の昼食会場にたどり着いたツアー一行。
 天気は快晴。オリーブの実がたわわに実るレストランの庭で野外の昼食とあいなった。
 わたしの隣には斎藤さん、その隣には斎藤さんの相方・今野さんが着席する。

 どんどん食事が運ばれてくる。
 中でもウレシイのはイスタンブール以来遠ざかっていたシシカバブーとの再会である。今度のシシカバブーはイスタンブールのそれより肉が大きい。

 ふと見るとテーブルの上に日本の「らっきょう」に似た物体が置いてある。これはなんだろう・・・?

 食べ物を運び終わってレストランの店員が引っ込むと、添乗員席(一般客の席と添乗員・ガイドが座る席は離れて設置される)からオキアイさんが背中を丸めて顔を出した。
 そして深刻な表情で「らっきょう」のような物体を指さすと、このように言った。「これはトルコ産のとうがらしです。日本人にはこれを食べてお腹がゆるくなる人が多いです。止めたほうがいいです。・・・」 こういい残すとオキアイさんは添乗員席へ戻っていった。

 「これはヤバイな・・・」わたしは直観的に危険を把握してトルコ産のとうがらしには手をつけなかった。斎藤さんも「あら嫌だ」などと言いながらとうがらしには手をつけない。唯一、今野さんだけが「あたし、辛いの好きだから。」などと言いながらとうがらしを5〜6本ぺロリと平らげてしまった。彼女はオキアイさんの話を聞いていなかったのであろうか・・・?
 この事実があとあとヤバイ事態を引き起こすことにツアー一行はまだ気づいていなかった。

 外国の食事・・・水がヤバイのはもちろんであるが、食事にもヤバイものはしっかり存在している。これから外国に行こうと思っている諸君はしっかりこの事実を頭に入れておいてほしい。

 食事が終わったツアー一行は徒歩で近所の服屋を見にいくことになった。今野さんもこの時はまだ大丈夫であったのであるが。。。


 (黒猫館&黒猫館館長)