生きた砂袋

SLAVE NO 3 =ジム 

 

ぐわし!ばごおん!
ずごごごご〜ん!!

俺は人間サンドバック!
生きた砂袋だ!

素裸に剥かれ 荒縄で縛りあげられ
ゴザを巻かれた サンドバックだ!

男たちの鉄拳が唸る!
兇暴な眼をした男たち!
奴らに俺は殴られ蹴られ
ぶちのめされた!

俺は血反吐を吐き
糞尿を撒き散らし
そのために 男たちの怒りを買って
さらにぶちのめされた!

もう俺の目玉は潰れている!
鼻血が止まらない!
鼻の骨をへし折られたせいだ!
歯は一本残らず砕かれたのでしゃべることもできない・・・

ぐわし!ばごおん!
ずごごごご〜〜ん!!

ウグオゥ!!
今、男がひとり俺の金玉を思いっきり蹴り上げた!
そして あの 男にしか解らない
気味の悪い痛みが俺を襲う!

ウグエエェ・・・!!!

どうやら金玉が潰れたようだ!
痛みがいつまでたっても引いてゆかない・・・

ぐわし!ばごおん!
ずごごごごご〜〜〜〜ん!!!

男たちよ・・・俺を殴れ!
俺の頭蓋が陥没するほどに・・・!!

今や俺にはお前たちが 単なる兇暴な男ではなく
神話に登場する男神に見える・・・!


(おお・・・神よ・・・
貴方の聖なる鉄拳で私の命を
奪い取ってくださいませ・・・
それが私への貴方からの・・・
祝福となるのです・・・)


男たちよ・・・俺の屍を超えてゆけ・・・
こんな穴倉のようなボクシング・ジムには
一人のマゾ豚の屍骸だけで十分だ・・・

しかしお前たちには
栄光のスポットライトを浴びる資格がある・・・
チャンピオン・ベルトをいつの日か
腰に巻く夢があるではないか・・・!

ぐわし!ばごおん!
ずごごごごごごご〜〜〜〜〜〜〜んんん!!!!

さあ!最後のパンチをくれ!
十二分の気合と悪意に充ちた
とっておきの一発を!!

ぐわしいいいいい〜〜〜〜〜んんんん!!!!!・・・

俺は死んでゆ

男たちの汗が光る
裸電球



俺は今、人間サンドバックとしての機能を終えた。

(決定稿2002年5月23日)