【中東紀行 35】愉快な岩たち 

 

 

 ツアー一行を乗せたバスが走る、走る。

 洞窟ホテル出発からだいぶ時間が経った気がする。
 もうそろそろ日が翳ってくるころだ。

 そう思った時、オキアイさんが口を開いた。
 
 「みなさん、左手に見えるのがカッパドキアでは有名な岩です。みなさんもあの岩がなんの岩かご存知だと思います。」
 ツアー一行は奇妙な顔をしてキョトンとしている。


  


 オキアイさん「わからない。。。う〜ん。わからないですか。あの岩はトトロ岩です。そうです。アニメのトトロです。トトロはトルコでも人気があります。」

 おばさんたちがなるほど〜と唸った。
 オキアイさん「ん?トトロに見えない?ではピカチュウ??」

 オキアイさんのかますベタなギャグにバス内は朗らかな笑いに満ち溢れた。わたしは日本のアニメの凄さを改めて認識した。



 そこからしばらく行くとにょきにょきとキノコのような岩が突っ立っている。オキアイさんによるとこれは「妖精の煙突」という岩で、かって妖精が住んでいたという伝説があるそうである。

 さらにバスは走る。そしていきなり止まった。
 ツアー一行はバスから降ろされた。
 目の前にはカタツムリのような岩がある。

  

 これは「ラクダ岩」というそうである。わたしにはどうしてもカタツムリに見えてしまうのであるが。
 ツアー一行はこのラクダ岩の前で記念写真を撮った。

 これで今日のカッパドキアの見学は終わり。
 後は洞窟ホテルに帰って食事してシャワーを浴びて寝るだけである。
 明日からはバムッカレに向かって再びバスの旅が始まる。
 トルコ周遊旅行はまだまだ続くのだ。

 
 カッパドキア・・・地球外惑星文明の前線基地、いつかまた会おう、わたしはカッパドキアとの再会の決意を固めるとしっかりした足取りでバスに乗り込んだ。

(写真一枚目はトトロ岩)
(写真二枚目はラクダ岩)

 

(黒猫館&黒猫館館長)