【中東紀行 29】地下都市への招待

 

 

  

 

 カッパドキアには1000以上の洞窟住居と100以上の地下帝国が存在しているという。
 いったい、いつ、誰がなぜ、このような奇怪な物件を建造したのか、現在でもほとんど真相は解明されていない。
 洞窟住居は古代キリスト教徒たちの修行の場であったという説が有力であるが、地下帝国に至ってはほとんどその正体は謎に包まれている。

 ここでアンカラで立ち寄った「考古学博物館」のことを思い出してほしい。「考古学博物館」ではヒッタイト人の遺跡が展示されていた。ヒッタイト人は紀元前6000年〜紀元前4000年頃に栄華を誇った謎の文明人である。紀元前4000年ごろヒッタイト人は突如として姿を消した。その理由も明らかではない。

 カッパドキアの地下帝国とはこの「ヒッタイト人」が建造したものではないのか?そしてもしかしたら地下帝国とはヒッタイト人の「核シェルター」であったのではないか?・・・このような説が最近浮上し始めている。


 わたしはオカルトを信じる人間ではない。
 わたしはホラーマニアなので誤解されがちであるが、幽霊も妖怪も全く信じていない。それらはわたしにとって「娯楽」であり、「存在」を信じる対象ではないからだ。

 しかしカッパドキアの地下帝国に対してはわたしはオカルトマニアたちの声に耳を貸さないわけにはいかない。
 カッパドキアには一番有名で巨大なカクマイルの地下帝国を始め、大小100以上の地下帝国が存在している。
 カクマイルの地下帝国に至っては現在公開されているのは地下8階までで、その全貌は地下15階〜20階以上にも及ぶという。
 しかもカクマイル他大小の地下帝国はすべて地下の内部で連結されており、収容可能人員はなんと100万人にも及ぶという。

 しかもすべての地下帝国には通気孔、貯水池、排水溝、食料貯蔵庫、家畜の飼育場、ワインの醸造庫に至るまで、その他人間が長時間生存するのに不可欠な設備はすべて完備されている。

 これは尋常ではない。
 絶対に普通のものではない。
 この地下帝国を建造するための驚異的なテクノロジーには21世紀の人間でさえ到達できるものではない。

 これはまさに、なにか不可解な現在の人間たちには理解しがたい動機で作られたのに違いない。その「動機」のひとつが地下帝国=核シェルター、つまり古代核戦争の事実を暗示している。

 バスがカクマイルの地下帝国入り口で止まる。
 オキアイさんに導かれて地下帝国に足を踏み入れるツアー一行。

 その中でわたしが見たものとは・・・?


(写真は洞窟住居で穴ぼこになっているカクマイルの地下帝国入り口付近)

 

 (黒猫館&黒猫館館長)