【中東紀行 28】ギョレメ野外博物館入場

 

 「三姉妹の岩」から約15分ほど歩いてギョレメ野外博物館に到着。日本には「野外博物館」なるものは存在していないらしいので説明が難しいのであるが山の上に立ち入り禁止区域があり、お金を出せばそこに入られる施設を想像してほしい。

 ちなみに「ギョレメ」とは「見てはならないもの」という意味である。奇岩群のSF風味と相まってあたかもクトゥルー神話を連想させる世界観である。

 オキアイさんと森さんが最初に入場。
 ツアー一行も彼らに続く。
 とここでツアー散会。再集合は30分後。


  


 わたしはひとりでぐるりと回りを見渡した。
 あるわ、あるわ、岩山に無数の小さい四角い穴が開いている。この穴は全部人間が掘ったもので、さらに人間が住んでいたというのだから驚く。
 この穴を掘ったのは古代のキリスト教徒だと言われている。
 一説では修行のためこんな辺鄙な岩山に穴を掘って住んだと言われているが真相は定かではない。

 わたしは岩山の穴の中にB級恐怖漫画に出てくるアリ人間が住んでいる風景を想像してゾッ!・・・とした。

 ためしに岩山を少し登ったところにある穴から中に入ってみた。
 するとこれは凄い!キリスト教のフレスコ画が描かれている。しかも鮮明に色までクッキリと残っている。わたしは感動してしまった。
 そしてアリ人間とは失礼なことを想像してしまいました。ごめんなさい。キリストさま。


  


 これは「洞窟教会」というものだと言う。
 洞窟の内部に教会があるとはこれまた妙なるかな。
 わたしはカッパドキアに到着してから驚きっぱなしである。本当にキリスト教徒たちはこんなところで生活していたらしい。まさに世界の七不思議に数えても良い遺跡ではなかろうか。

 などと驚いていたらたちまち30分経過!
 わたしは集合場所へ急いだ。

 次の目的地はいよいよカッパドキア最大のミステリー物件「地下帝国」である。


(写真左側はギョメレ野外博物館遠景)
(写真右側は洞窟教会内部)

 

(黒猫館&黒猫館館長)