【中東紀行 23】ツアーの人間関係 

 

 考古学博物館見学後、昼食をとる。

 なんだかやけにひなびた味のありすぎるレストランに連れていかれる。どやどやと椅子に座るツアー一行。なぜか五木ひろしのポスターが壁にかけてある。
 本日三度目の食事が始まった。


  


 この時期になるとツアー一行の各人が他のメンバーに対して打ち解けてくる。全く面識のなかったおばさんとおばさん同士が談笑していたりする。

 しかし良いことばかりではない。
 短い期間とはいえ、いや短い期間だからこそツアー内部は異常に人間関係が濃厚となる。その結果、ツアーのメンバー同士のトラブルが起こることも多々あるのだ。


 わたしは隣の席に座っているおばさん、「斎藤さん」に声をかけてみた。ちょっと見たところ70歳ぐらいにみえるが元気そうなおばさんである。斎藤さんは身体は小さいが気は大きい人物である。
 斎藤さんにわたしは「あなた、若いんだから一杯昼ごはん食べなさいョ!!」とハッパをかけられてしまった。

 テーブルの向こう側ではカップル(名前は不明)がいちゃいちゃしている。日本にかえってもいちゃいちゃできるのだから、もっとツアーのメンバーと交流を楽しめば良いと思うのだが、このカップルはふたりだけの世界に閉じこもってしまっている。
 わたしが「どこから来たんですか?」と声をかけても「いばらき・・・」とうわの空である。

 あと一人旅の女性「河野さん」や家族三人で来ているファミリー「佐藤さん」など多彩なメンバーが揃った。

 ツアーを面白くするのもつまらなくするのも、このメンバーたちといかに打ち解けるか、にかかっていると言ってよい。これから海外旅行に行く諸兄諸氏はこの点を頭にいれて楽しい海外旅行に行ってほしい。

 さて巨大なピザのようなパンをほお張って、野菜サラダとスープを食べたら昼食終わり。あっさりしている。きっと本日は朝食が2回あったことに気遣っているのであろう。

 ツアー一行はひなびたレストランから外へ出るとおのおの写真を取り合ってからバスに再び乗り込んだ。

 トルコ中央部、カッパドキアへの長い長いバスの旅が始まる。




(写真は昼食風景)

(黒猫館&黒猫館館長)