【中東紀行 21】イスラム教は「過激」か?
アタチュルク廟からバスに乗って考古学博物館を目指すツアー一行。するとここでオキアイさんが登場。
おばさんたちの目がオキアイさんを見ると一斉に輝きだす。
なぜなら面白くてためになる「オキアイさんのお話」を聞ける時間が始まるからだ。
「みなさん、お疲れ様でした。2日目の日程は考古学博物館を見学した後は昼食を採って、午後からはカッパドキアのあるネフシェヒルを目指します。
その途中で「塩の湖」にも立ち寄ります。
今日の宿はみなさん待望の洞窟ホテルです。
「さて、みなさん。」
ここでオキアイさんの目がギラリと輝いた。
「中東にある国はトルコだけではありません。トルコの隣にはイランやイラクがあります。
イランやイラクは何年も戦争していましたね。
なにがこれらの国を戦争に駆り立てるのでしょうか?」
ツアー一行はしーん・・・としている。
「イスラム教が過激だから、と考える人も多いと思います。しかしそれは正確ではありません。イスラム教と政治が結びついた時に戦争が起こるのです。
トルコでは政教分離が徹底しています。
それは国父アタチュルクの悲願でもありました。
しかしイランやイラクでは政教分離が進んでいません。だから戦争のような悲劇が起こるのです。」
ツアー一行は深くうなずいた。
そういえばイランやイラクと同じイスラム国家であるトルコが戦争を起こしたという話は聞いたことがない。
オキアイさん「中東諸国で戦争が起こる原因はイスラム教ではありません。イスラム教は本来平和な宗教です。
戦争が起こる原因は政教分離が進んでいない近代化の遅れ、そしてもうひとつ貧困に基づく教育水準の低さです。」
なるほど〜。
わたしはいままでイスラム教というと「過激」というイメージを抱いてきた。それは正確には全く違っていたわけであるな。無知というものは恐ろしい。
オキアイさん「イスタンブールには沢山のキリスト教徒たちが住んでいます。しかしそれで紛争が起こったことは一度もありません。なぜなら宗教とは個人の心の問題で国が関与することではないからです。」
うむ〜。。。勉強になる。
わたしは政教分離がなぜ日本国憲法でもあれほど強調されているのかようやく理解できた。偉大なる師、オキアイさん、もっともっと面白くてためになるお話を聞かせておくれ!!」
バスが考古学博物館の前で止まった。
おばさんたちがどやどやとバスから降り始めた。
(黒猫館&黒猫館館長)