【中東紀行 13】これがハーレムだ(上)

 

 地下宮殿からふたたびらせん階段を登ってお日様のあたる地上に舞い戻ったツアー一行。みな、なんだかほッとした表情をしている。

 無理はない。
 無理はない。・・・

 あれだけ恐ろしいメデゥーサの首見せられたんだからな。

 


 ここで添乗員の森さん登場。

 「はーい、みなさん聞いてください!!これからハーレムに入ります。しかしハーレムはオプション(有料)です。入らなくてもよろしい方はハーレムの前のベンチで待っていていてください!」

 なんとハーレムは有料だと言うのだ。
 入場料は10トルコリラ。
 まったくJ◎Bはなんというケチなんであろうか。

 わたしはせっかくトルコまで来たんだからハーレムに入ることにした。トルコと言ったらやっぱりハーレムではないか。
 ようこそ「男の世界」へ・・・というわけだ。
 ちなみにハーレムとは「禁」という意味である。
 いわばスルタンとその妻以外の人間がハーレムに入るということは「禁忌を冒す」という意味があるのだ。ゾクゾクするではないか。

 おばさんたちはもう疲れたと言ってベンチに座ってしまった。
 わたしと若い女性たちとおじさんたちがハーレムに入ることになった。

 オキアイさんが再び歩き出す。
 オキアイさんの後ろを金魚のうんこのごとくついてゆくツアー一行。

 ぎぎー・・・と音がしたわけではないが本日最後の見物「ハーレム」の扉が開かれた。

 

(黒猫館&黒猫館館長)