【中東紀行 02】チューリップのある風景 

 

イスタンブールの街をぶらぶら歩いていると必ず突き当たるのが「花壇」である。
 しかもその花壇には必ずチューリップが植えられているのである。


 


 わたしは現地ガイドのオキアイさん(トルコ人)に聞いてみた。

 わたし「どうしてイスタンブールではこんなにチューリップが多いんですか?」

 オキアイさん「それはトルコがチューリップの原産地だからです。」

 わたしはショックを受けた。チューリップの原産地をわたしはずっとオランダだと思っていた。
 無知というものは恐ろしい。

 オキアイさんによると「チューリップ」とは「トルコ人の唇」という意味である説もあるようである。

 黄色、赤、ピンクなど色とりどりのチューリップの周りで無邪気に遊び回る子供や猫や老人を見ているとわたしの心も静かに癒され解されていく。


 


 チューリップは日本人にとっての「桜」と同じ種類の花であるのだろう。トルコを象徴する花、トルコ人の心のふるさととしての花、それがチューリップ。

 チューリップが満開な時期にトルコを訪問できたわたしは本当に幸運だった。

 特にイスタンブール郊外のエミルギャン公園では今までみたこともない様々な種類のチューリップを見た。チャイ(トルコのお茶。砂糖を入れて飲む)を飲みながらチューリップをみつめるわたし。
 平和だな〜。実に平和だ。・・・

 わたしはまるでトルコを「危険な国」と思い込んでいた自分を恥ずかしくなった。トルコは平和な国だとわたしはつくづく実感した。それも日本と同じくらい。

 それではわたしはなぜ「危険な国」だと思い込んでいたトルコへわざわざ来たのであろうか。

 次回の【中東紀行】はそこから再開することとしようか。

 

 

(黒猫館&黒猫館館長)