ツアー一行は三度目のシャルル・ド・ゴール空港に到着。
ついに本当に欧州とお別れである。
わたしは欧州最後の記念に約10日前に日本から到着した時に食べたものと同じアイスクリームを食べた。
アイスクリームの味はあの時よりほんのちょっぴり甘く思えた。
やがてエール・フランス便成田空港行きのアナウンスが入る。ツアー一行が一本の紐のように整列する。どやどやと音をたてながら飛行機への乗り込みが始まる。
さらば、シャルル・ド・ドゴール空港、いつになるかわからないがわたしは必ず帰ってくるぞ。・・・
そんなことを考えながら椅子に着席する。
スチュワーデスのお姉さんが微笑んでいる。
わたしのとなりには別のツアーのオバサンふたり組みが着席した。
やがて飛行機のエンジンがかかる。
静かに滑走を始める飛行機。
飛行機は徐々に速度を増してゆく。
「ごお〜・・・」という音と共に飛行機が離陸する。
わたしはぐったりして席に座り込んだ。
「帰国開始か。・・・」
やがてスチュワーデスが赤ワインを運んでくる。
赤ワインを一杯やりながら、わたしは考えた。
なにかわたしは今回の旅行で一回りオトナになった気がする。
なぜか・・・?
考えているうちにも飛行機は上昇をつづけ、ついに雲を突破して青空が輝く高度に到着した。
「パリは素晴らしい。東京も素晴らしい。だからと言って秋田が素晴らしくないわけがない。」・・・
わたしの今回の欧州旅行についての総括が始まった。
飛行機は只今ベルリン上空。
まっしぐらに成田に向かって飛んでゆく。
(黒猫館&黒猫館館長)