「おっぱいを飲ませるマリアさま」の絵からしばらく行くと別の部屋に入る入り口があった
。
部屋の中にはなにやら人が混んでいる模様が外からも見て取れる。イタリアよりフランスのほうが治安が安全であるとはいえ、「なんか嫌だな〜」と思いつつわたしはその部屋に入った。
その時部屋に入ったツアー一行が「おおっ!」とどよめく。
それもそのはず、ウフィツィ美術館で邂逅したレオナルド・ダ・ヴィンチさんとの再会が待ち受けていた。
しかも今度はなんと「モナリザ」でお出迎えと来たものだ。
わたしも「おお・・・偉大なる人類の遺産よ・・・」などと大げさに驚いてみせながら「モナリザ」に接近した。
現地ガイドの中村さんがなにやら解説しているが良く聞こえない。
わたしももうこの機会だ!!と意を決して「モナリザ」に接近した。ガードマンの眼が鋭く光る。
とは言っても写真↑の場所まで接近するのが精一杯。わたしは遠隔距離から「モナリザ」を眼に焼き付けると「モナリザ」から離れた。中村さんの解説がようやく聞こえてくる。
「「モナリザ」がルーブル美術館を離れたのは二回だけ!ロシアと日本に遠征した時だけっ!!」
※ ※
「凄おぉぉ〜」・・・
などとわたしがおどけているうちにぐんぐん動き出すツアー一行。
その次の絵は同じくダ・ヴィンチさんの「聖アンナと聖母子」、つまりイエスとマリアさま、マリアさまの母のアンナさんの聖なる三位一体の絵であった。(↓この白髪のオジサンが中村さん)
「大いなるグレイト・マザー、聖アンナよ・・・」と感じいっているうちに中村さんの簡潔な解説がピタリと入る。この絵で描かれている羊は「生贄の子羊」、つまりイエスの将来の悲劇を暗示しているそうである。
じっくりと名画「聖アンナと聖母子」を見ているヒマもないほど、次の絵に移動するツアー一行!これではやはりもったいない。明日一日滞在を引き伸ばしてルーブル美術館をじっくり見学しようかな〜、、、などと思っているとたちまち次の絵に到着。「洗礼者ヨハネ」である。
このヨハネ像がまるで色っぽい女性のようなのは、やっぱりレオナルドさんの男色趣味のせいだそうである。全くミケランジェロさんだけではなくレオナルドさんも、ってば・・・とわたしは呆れ果てた。
芸術家だから同性愛に走るのか、同性愛者だから芸術家になるのか、まるでニワトリとタマゴの問答のようなことをわたしはニヤニヤしながら考えていた。
とその時、場内アナウンスが入る。しかしフランス語だから良くわからない。最後尾で陣取っていた吉永さんが中村さんに告げた。「あと30分です!!急いでください!!」なんとあと30分で閉館!
まさに「楽しい時間はあっという間。」ツアー一行はさらに猛然ダッシュで次の部屋に駆け込んだ!!
(黒猫館&黒猫館館長)