地獄へようこそ。

血と精液と糞尿にまみれた床。
壁に刻みこまれた呪いと絶望の爪あと
そして漆黒の闇・・・
反響する嗚咽。絶叫。啜り泣き・・・

私はこの獄の獄長、ミストレス・影姫。
以後御見知りおきを。

ここは男(オス)だけの地獄、私立男泣島矯正院。

ここにいるオスどものなかにはかって億万長者だった者もいる。
しかしそのような地位も名誉も金銭も捨てその男はこの獄の奴隷となった。

なぜ?

その男は
みずから苦しみを求めたのだ。
奴隷として貶められることを渇望したのだ。

人間は快だけを求めるにあらず。
そのような人間精神の不思議を探求すること。
それがわたしの最大の関心事だ。

此処に入る奴隷たちはわたしに弄ばれるモルモット。
わたしが死ねといったらこの奴隷たちは自ら死を選ぶだろう。
なぜなら・・・それが彼らの「本望」だからだ。

この獄には13個の檻が用意してある。
そして13人の実にユニークな奴隷たちが繋がれている。
ここには人間社会のすべての「男」のサンプルがある。
このような奴隷たちの生態を観察することもまたこの獄の目的だ。

すべての男はマゾヒストである。
自称「サディスト」と名乗る男でさえも。
それがわたしの持論だ。

さて・・・。
今夜もまた拷問と私刑の夜宴が始まる。

もし貴方がこの夜宴に加わりたいと思うならば。
遠慮なく申し出るがよい。

その日から貴方はこの獄の奴隷として肌に鎖をうたれるだろう。

観るだけの客(ゲスト)も無論歓迎だ。
しかし観るだけですむだろうか?

官能の琴線が咽び泣く時、鎖に繋がれた貴方がいる。

此処はそういう場所だ。

 

2004年10月15日 ミストレス・影姫、建白。