『邪淫の肌』
清水おさむ著。サン出版発行。(ジョイコミックス)初版昭和53年12月5日発行。カバ完本。新書版よりやや大。
(右画像)『魔血子』(参考展示)
賢明な読者なら誰でも知っておられるであろう人気怪奇漫画本『魔血子』(ひばり書房)の作者、清水修が官能劇画に転身してから発行された代表的短編集。さて本書の特色はその絵柄である。登場する女性の顔は少女漫画にだしてもおかしくない端正で上品な顔ばかりである。そんなお嬢様顔の女性がレズプレイ、SM、果ては「火焙りの刑」にされたりと虐待・変態行為を無理やり強いられ涎を垂らしてうめきまくるのが本書の内容である。一時期のダーティ松本に似ていると感じる人もいるだろうが本書はさらにグレードアップした過激さで読者にせまるのだからたまらないといえる。
さて本書はジョイ・コミックスの中では出ないほうの部類に入る本である。しかし古書価はそれほど高くないので専門店でなければ意外と安く入手することも可能。
異常性欲のオペラとしかいいようのない怪・官能劇画本である。
(黒猫館&黒猫館館長)