『日に三度の誓い』
石川逸子著。現代詩研究所発行。初版昭和31年6月10日。カバ完本。
本書は石川逸子の第一詩集。ちなみに石川逸子は第二詩集『狼・私たち』(飯塚書店)でH氏賞を受賞している。
さて石川逸子の詩は厳しい。誠に厳しい。その厳しさは外界だけでなく石川逸子自身にも向けられている。本書の題名、「日に三度の誓い」とは自分自身を律する誓いを一日に三度行うという意味である。そんな厳しさを生むものは石川逸子のなにものにも屈しない澄んだ眼である。彼女の眼にかかると天皇裕仁も「猫背の一人の男」でしかないのだ。
本書の入手はそれほど難しくないが、痛み本が多いので買う時は実物を手にとってみることが肝要である。