『楽園幻視』

  

 長谷川サダオ著。コチスタジオ発行。初版1996年11月20日。裸本完本。定価3300円。

 『さぶ』『薔薇族』等のゲイ雑誌をまたにかけて活躍し先年、急逝した長谷川サダオの本邦唯一の作品集。長谷川はヨーロッパでの評価が高く海外での画集が一冊存在している。
 長谷川サダオの絵はストイックを旨とする三島剛とは対照的にカラミ・SMなどがふんだんに登場する。ここらが真面目気質の日本人に長谷川の男絵が三島のものより評価されにくい理由であろう。尚、本書は東南アジア的なカラーをおしだして単なるポルノグラフィーに終わらせない配慮もされている良書といえるだろう。

 本書はゲイ・アート関係の本のご多分にもれず入手困難。しかし最近の本なので根気良くさがせば入手できるだろう。