『色単』
竹熊健太郎・庄内良助著。群雄社刊。初版昭和58年12月25日。カバ帯完本。定価980円。
賢明な読者ならとっくにご存知の事実だろうが、この本の編者の一人「庄内良助」とはあのカルト的人気を誇るバイオレンス・スプラッター作家の友成純一氏のこと。この時期、友成氏はアル中を患い、リハビリ目的で造った本が本書であるのだという。
さてこの類の「卑語辞典」は昔から多いがこの『色単』の特色はSM系の用語に多くページが割かれていること。これは恐らく友成氏の趣味だろう。例えば『苦痛の喘ぎ』の項目を見ると「フグッ」、「ウム、ウム、ウウーン」、「くっ、くう」、「ング、グググウーン」、「うぷぷ」、「ウギャイヤアー」、「グィエエー、ンゴゴゴー」等等大変細かい。しかもこれらの用語にそれぞれ「解説」が付けられているのだから大変な徒労作と言える。このような神経症的な「細かさ」が本書の特色である。
将来、SM小説でも書いてみようかと思っている人には必携の一冊。
(黒猫館&黒猫館館長)