『犬狼伝説<全>』

 

      

 

押井守・藤原カムイ著。角川書店刊。部数不明限定版。2000年9月30日発行。函・外函・帯完本。 

 確か1986年頃だったと思う。『うる星やつら』アニメ版で好評を博した押井守氏が「実写映画」を撮るというのだ。しかもその主人公は『うる星やつら』の主人公、「メガネ」だというのだ。わたしはまたなんと珍妙な企画を。と苦笑いした記憶がある。しかし完成した作品『紅い眼鏡』をみてわたしは愕然とした。これは単なるドタバタ劇ではなく、現在でも世評高い『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』に勝るとも劣らない作品だったからである。ここからいわゆる「ケルベロス・サーガ」が始まったのであった。『紅い眼鏡』のチラシは写真真ん中。

 それから1991年また『紅い眼鏡』の続編が持ち上がった。題名は『ケルベロス 地獄の番犬』。通常の続編とは異なりこのシリーズは時間を遡行してゆくのだ。つまり『紅い眼鏡』以前の歴史がこの『ケルベルス〜』では描かれたのである。『ケルベロス』のチラシは写真右。

 そして1999年藤原カムイ・押井守コンビによる漫画でまたこのシリーズの続編が発表された。題名は『犬狼伝説 完結篇』。写真左はその漫画の豪華限定版。

 このようにして『紅い眼鏡』シリーズは延々と続いている。最近では番外編ともいうべき『人狼』という映画も封切られた。さてこの「ケルベロス・サーガ」、いったいどんな本当の完結を見せるのか?今から楽しみだ。