『恋する女の子たち』
内藤ルネ著。山梨シルクセンター刊。初版昭和42年12月15日。カバ・函入完本。定価180円。
現代の主流風俗と化した感もある「カワイイ」ブームの先駆的作品とも言えるのが本書。本を開くと右ページに散文詩的ないかにもロマンティックな文章が、左ページに少女趣味満点のイラストが載っている。その内容は少女たちの小さな恋のエピソードという程度のものだが隠し味的に散りばめられたホモ・セクシャルのニュアンスも見逃してはならない。
内藤ルネはこの本の他にも雑誌『薔薇の小部屋』(2冊で休刊)の編集でも有名。こちらの雑誌も現在はかなりのプレミアがついている。これも現代人の「カワイイ」嗜好の現れなのであろうか?