『ひとりの女に』 

 

  

黒田三郎著。昭森社発行。初版1954年6月30日発行。カバ完本。限500。定価250円。装丁北園克衛。 

 本書は「荒地」の中心的メンバーのひとり黒田三郎の第一詩集。黒田三郎は本書によってH氏賞を受賞した。

 さて内容はひとりの愛する女性、(現黒田三郎夫人)にあてた恋愛詩集である。昭和20年代の荒廃した時代に本書のような美しい恋愛詩集が世に出たことは奇跡に近いであろう。それほど本書の詩篇はあまりにも美しい愛の詩であり、万人に感動を与えずにはおかない。

 さて本書は最近古書価が急騰している。欲しいひとはできるだけ早く入手しておくことが肝要である。