2003年頃からだという。
ある不可解な話がネット上で流れ始めたのは。
最初の話はこうだ。
ある小学生が臨海学校で海岸を眺めていたのだという。
時間は夜8時ごろ。
せっかくの臨海学校だというのに大雨が降ってしまった。
小学生は途方にくれていた。
ふとそのとき。
海岸で何か見える。
小学生がよく見るとなにか白いものがくねくねと蠢いている。
小学生は初めはそれをハダカの人間だと思ったという。しかし人間にしては動き方が妙だし形態が丸っこい。
止めればよいのに。。。小学生はわざわざ傘をさして大雨の中外に飛び出していったという。
「くねくね」したものの正体を知るために。
次の瞬間、「ぎゃーーー!!」という叫び声がした。
「何事か!?」と見に行った教師たちがそこで見たものは泡を吹いて倒れている小学生の姿であったという。
この小学生は完全に精神を破壊されており、現在では廃人として某病院に入院しているという。
※ ※
この話をキッカケとしてネット上ではさまざまな「目撃談」が流れ出した。
「俺はくねくねを見た。」
「わたしはくねくねと会ってしまった。」
いつのまにかこのくねくねした物体は「くねくね」という怪異現象の一種と命名され、現在でも目撃情報が後をたたない。
どうして「2003年」からくねくねが目撃され始めたのかよくわからないのも不思議だが、くねくねの正体がいまだ特定されていないのも不思議である。
一説によるとくねくねの正体を見ようとじっと凝視すると精神が破壊されるのだそうだ。
だから読者の諸君も絶対にくねくねに会ったら、これを凝視してはならない。
わたしはくねくねとは絡み合っている男女ではないのか?と思ったこともある。
だから「見てはいけない」と釘を刺されているのだと。
またくねくねは自らのドッペルゲンガーであるという説もある。
自分の姿が踊っているのを見て狂気へ誘われるであるという。
またわたしはくねくねとはもしかしたら畸形児の一種なのかもしれないと思った。
手も足も頭もない内臓の詰まった肉塊。そういうものがくねくね蠢いている。
その隣に立っているものは寂れた産婦人科であるのかもしれない。
新宿歌舞伎町の裏町どおりにある娼婦専門の堕胎医。
そういう堕胎医に堕胎された畸形児の怨念が見たものに攻撃をしかけるのかもしれない・・・
いずれにせよ「くねくね」の正体は現在でも全くわかっていない。
いやわかってはいけないというべきだろう。
もし読者の諸君がくねくねをどこかで見かけたら絶対にこれを凝視してはいけない。
すばやくその場を立ち去りたまへ。それが諸君らのためである。
「この世には知ってはならないものがある」
そのひとつが「くねくねの正体」であるのかもしれない。
(了&合掌&南無阿弥陀仏。)