切腹ショウの男
(2011年8月16日)
わたしは切腹に興味がある。
三島由紀夫自身が演じた映画「憂国」の小説版『憂国』(新潮社)や女人切腹や少年切腹研究で有名な切腹研究家・中康弘通の『切腹〜悲愴美の世界〜』は学生時代からわたしの愛読書であった。
またおもちゃの刀でひとり「切腹ごっこ」に興じるのも小学生時代のわたしの愉しみであった。時には自分ひとりの遊びに満足できず、友人に「切腹の真似」をさせてわたしは介錯人の役を演じたことがある。
なんといういやらしい小学生であったことか。・・・
芥川賞作家・宇野鴻一郎の短編小説『切腹願望』に次のような記述がある。
「目前の敵の前で腹を露出するというのは、万策つきての完全な降伏、徹底的な敗北の、本能的な表現に違いなかった。理屈をこえて、それはほとんど官能的ですらある、屈辱の行動様式なのに違いなかった。」(5p)
さよう、切腹という行為にはどこかほの暗い官能の匂いがする。それも健康的な正常で官能ではない。もっと病んだ、マゾヒステックな官能に違いない。・・・
※ ※
さてそのようなわたしであるからインターネットでも「切腹」というキーワードを検索するのが日課になっている。深夜、「切腹」に関する画像や文章を眼にする時の淫靡な愉しみはわたしの日課である。
すると最近「切腹ショー」に関する話が数多くヒットするようになってきた。「切腹ショー」といってもSMクラブでよく行われるトマトケチャップを使った女性の切腹ごっこではない。本物の切腹ショーが日本のどこかで行われているらしいのだ。
この話には何種類かのバリエーションがある。
共通する部分を抜粋してみよう。
・切腹する当人は30歳ぐらいの若い男。
・切腹ショーの司会は50がらみの中年女
・若い男は筋肉隆々である。
・場所は廃ホテルの風呂場。
・切腹すると最初に黄色い「脂肪」がでてくる。
・そのうちに腸を切った男は口と肛門から鮮血を噴出させる。
・最後に小腸がぬるぬると傷口からせりだしてくる。
これぐらいがこの「切腹ショー」の話の概要である。もし日本のどこかで行われているのなら、わたしも観たい気がする。
しかしショーの当事者だけではなく、見物人も「自殺幇助」に問われる可能性があるのでわたしはとても観に行く勇気はない。
しかしこの猟奇と残酷のはびこる現代日本のどこかで「切腹ショー」がひそかに行われていてもなんら不思議はない。その血みどろの、酸鼻極まる、グランギニョールな、甘美な地獄。。。
そしてショーの背後に匂う切腹する男と司会の女のただならぬ関係にわたしは慄然とする。
幼年期からの切腹マニヤであるわたしにはこの切腹ショーの話は常軌を逸したただならぬ関心事なのである。
さて今夜も切腹を求めてグーグルで「切腹」を検索するか。
ふふ。
(黒猫館&黒猫館館長)