自由、夜

 

 

 

ああ、貴方、わたしの恋人よ。

この世はあんまり暗すぎて、
わたしは貴方が見えないんだ。

だからあの深い森の奥から、
わたしの女の生臭い臭いが漂ってきたら、
貴方はその華奢な童貞の手で、
自分のペニスをくりかえしくりかえし、
擦ってね・・・

そうしたら、
貴方は照明弾のように天空に射精して、
暗い運命の夜空を、
きらめく星空に帰ることができるさ!

そうしたら、わたしは貴方の姿をはっきりと、
見つけ出して、
貴方をまるでおしぼりのように握り締めてやろう!

きらめく星空の下でのわたしたちのセックスが
やがてまた暗い夜のとばりで邪魔されても、
わたしは一向に構いやしないさ。

永劫に続く闇の中で、
わたしたちはひとつになって
化石となろう。

  

 

 

 

(2008年7月29日)
(黒猫館&黒猫館館長)