貴方よ 正しき道を往け
2004年元旦に寄せる誓い
元旦、澄み渡った冬の晴天の下で
わたしは貴方に命ずる。
「貴方よ正しき道を往け」
この濁流の時代、世界はまがいものに充ちている。
貴方よ。
まがいものが貴方の足を引いたらその穢れた手を容赦なく切り落とせ。
正しき道を進むためには呵責なき残忍さもまた必要なのだ。
また貴方よ。
人が正しき道を進むことはあまりにも困難なことだということも知っておかなくてはならない。
人は正を進むより邪に折れていくほうが遥かに楽しいからだ。
人は道を進むより道から外れていくほうが遥かに楽だからだ。
大袈裟なもの、極端なもの、狂気を装うもの、
そんな邪を射る力を得よ。
そこから貴方は理解するだろう。
真に正しき道とは
普通の人間の普通のささやかな生活、
それこそが正しき道だ。
貴方よ。
正しき道を往くことは綱渡りにも似ている。
しかし貴方は往かなくてはならない。
正しき道を進め。
それが貴方へのわたしの愛が命ずる命令であり
新しい年に寄せるわたしの誓いでもある。
(決定稿2004年1月1日)